山口県岩国市にある、国指定文化財 ( 名勝 ) “錦帯橋” に行ってきました。
“錦帯橋” は、山口県最大の河川・錦川 ( 川幅200m ) に架かる5連の木造橋で、
その美しい姿から、“日本三名橋” ( 長崎:眼鏡橋、東京:日本橋 ) や、
“日本三奇橋” ( 山梨:甲斐の猿橋、長野:木曽の棧 ) の1つに数えられています。
創建は 1673 ( 延宝元 ) 年、第三代岩国藩主・吉川広嘉の時。
これまで錦川に架けられた橋は、洪水などによって全て流されてしまったため、
「決して流されない橋を架けよう」
という合い言葉のもと、研究に研究を重ねて橋が架けられました。
( 中国・杭州の西湖にある橋がモデルになってるそうです。)
しかし、初代・錦帯橋は、翌年 ( 1674年 ) の洪水で流されてしまいます。
そこで、さらなる研究と改良が施され、
同年 ( 1674年 ) 10月末、早くも二代目の橋が架けられました。
この二代目は非常に強く、なんと 276年 もの間、不落を誇りました。
ところが、不落を誇った二代目も、
1950 ( 昭和25 ) 年9月のキジア台風による洪水で流されてしまいます。
そこで、橋脚に近代工法を取り入れるなどの改良が施され、
1953 ( 昭和28 ) 年、三代目の橋が架けられました。
この三代目も非常に強く、以降、約半世紀に渡り不落を誇っていたのですが、
木が腐敗するなどの老朽化が目立つようになったため、
2001 ( 平成13 ) 年から、大規模な架け替え工事が行われました。
その結果、2004年 ( 平成16年 ) に四代目が完成。
これで安泰・・・かと思いきや、
2005年 ( 平成17年 ) 9月の台風14号により橋脚2基が流失。
その後、復旧工事が行われ、今に至っています。
え~と・・・
前半部分を書いていたら、何だか切なくなってしまいました。
「架けても架けても流される」
なんという悲運の橋でしょう。
しかも、276年間不落を誇った二代目は、流失しないよう祈る市民の目の前で、
濁流に呑まれ、崩れ、流されていったと言うんですから、たまりませんね・・・
さて、“錦帯橋” を訪問しての感想ですが、簡単に言うと、
「すごく質素な作りのアトラクション」
という感じでした。
アトラクションというと、ジェットコースターとかを思い浮かべてしまいますが、
もちろん、そこまでの面白さはなく、かといって普通の橋とは全然違う。
渡っていて楽しいというか、なんというか・・・
やはり「質素なアトラクション」というのが一番しっくりきます。
橋周辺も、営利追求型の観光地によく見られる “変に作った派手さ” がなく、
趣たっぷりの、とても心安らぐ場所でした。
「目を引くものが、あまりない。」
と言ってしまうとそれまでですが、( 笑 )
個人的には、逆にその方が、のんびりできてよかったです。
ちなみに、“錦帯橋” を渡るには通行料がかかります。
( 大人 300円、小人 150円。 共に往復料金。)
正直なところ、
「え”!? お金かかるの!?」
と思いましたが、まあ、仕方ないですよね。
あれだけ、流されたり壊れたりしてたら維持費もかかるでしょう。( 笑 )
“錦帯橋” 周辺の観光ポイントとしては、
橋の他に “岩国城”、“吉川史料館”、“白蛇観覧所” などがあります。
あと、宮本武蔵の宿敵・佐々木小次郎が、
必殺技 “燕返し” を編み出したという場所 ( 笑 ) なんかもあったりします。
( 錦帯橋を渡ってすぐ、土手の所にある“厳流ゆかりの柳”。
少し離れた場所には、佐々木小次郎の銅像もある。)
興味のあるなしは別として、なんだかんだと、それなりに見所はあるので、
皆さんも一度、訪問されてみてはいかがでしょうか。
丸一日は、十分に楽しめると思いますよ。