東京都墨田区東向島にある「向島百花園」に行ってきました。
向島百花園は「国の史跡および名勝」に指定されている都立公園です。
江戸時代・文化2年 ( 1805年 )、骨董商・佐原鞠塢 ( さはらきくう ) と江戸の文人墨客らによって、旗本・多賀氏の元屋敷跡に造園された向島百花園は、 360本もの梅の木や中国・日本の古典に詠まれている有名な花木をたくさん有する「民営の梅園・花園」として、当時、多くの人々に親しまれていました。
その後も長い間、民営公園として親しまれていましたが、明治期に衰退、のち昭和13年 ( 1939年 ) に東京市に寄付され「公営の公園」となり、 以降、東京大空襲で全焼するなど存続の危機に見舞われながらも都度復興され、今に至っています。
向島百花園を訪問して感じたことは、
「さすが、元々は江戸の文人たちが造園した民営庭園だっただけあって、
都内に数ある大名庭園などとは違って、随分と庶民的な趣があるなぁ。」
ということです。
「趣」というと聞こえはいいですが、まあ簡単に言うと、
「大名庭園のような派手さがない」 つまり 「地味」ということです。( 笑 )
園内も決して大きくはなく、あっという間に一周できてしまいますので、大規模な回遊式泉水庭園にあるような「様々な見所」を求めて訪問すると、がっかりするかもしれません。
ただ、派手さは無くとも、楽しめる要素はたくさんあります。
一つは「梅」。さすが造園時に梅園だっただけあって、梅の木はたくさんあります。
次に「野鳥」。木々にとまるヒヨドリやツグミなどの野鳥を見ることができます。
そして「種類豊富な花木」。百花園というだけあって、花木の種類は凄く豊富です。
花木に関しては、敷地が狭いので物量はないのですが、とにかく種類が豊富でした。
ふと下を見たら「水仙」、ちらっとその横を見ると「福寿草」、さらにその奥には「春の七草」、おや、あっちの黄色いのは「ゆず」? あれ、そっちの木は「さるすべり」? などなど、とにかく飽きることがありませんでした。
江戸庶民の趣が残る庭園「向島百花園」。
じっくり見ればいろんなものを見つけることができる面白い場所ですので、
機会があれば、是非訪問してみてください。