WEBサイトや雑誌・カタログなどにあるコンパクトデジタルカメラのスペック表には、「F値」もしくは「絞り」という表記があります。
F値 開放時:F2.8 最小絞り時:F8.0
よく、この様な形式で書かれているF値ですが、皆さんはこれが何かご存知ですか?
今回のコラムは、そんな「F値」について書きたいと思います。
まず、F値という単語についてですが、
これはカメラの性能を表す言葉ではなく、レンズの性能を示す言葉です。
F値とは「レンズが取り込むことができる光の量の指標を数値で示したもの」で、
基本的にはカメラ本体の性能とは関係しません。
よって、レンズ付でないカメラ(一眼レフ等)のスペック表にはF値の記載はありませんし、逆に交換レンズのスペック表にはF値が重要な要素として記載されています。
次に、F値として記載されている数値の見方について。
F値は、小さければ小さいほど、光の量をたくさん取り込めることを示しています。
値が小さいほど、光を取り込む量が大きいっていうと、なんか混乱してしまいますが、これは、F値の日本語表記である「絞り」という言葉から考えるとわかりやすいです。
「絞る → ぎゅっと絞る → 小さくなる」
つまり、
「絞りの数値が大きい → 光を絞る量が大きい → 光を取り込む量が小さくなる」
ということです。
なお、開放とは「一切絞っていない状態」を意味します。
つまり開放F値とは、そのレンズが取り込むことができる光の最大値を示しているということになります。
では、そんなF値が「ユーザーにとってなんの意味があるのか」について。
カメラのレンズというのは、光によって映像化された被写体をフィルムやデジカメのセンサーに伝える役目をしています。
光をフィルムやセンサーに十分伝えることができれば映像は鮮明に写り、光を十分に伝えられないと不鮮明になります。
このことから、
写真を撮る際には常に「光」を意識しなければならないということが言えます。
晴天時の野外などは十分な光があるので、光が足りないという状況はあまりないですが、夜間撮影や室内撮影などでは、光が足りないという状況はよくあります。
特に撮影用照明やフラッシュが使えない場所だと、そこにある光でやり繰りするしかないので、光の量をたくさん取り込めるレンズの方が有利ということになります。
つまり、開放F値の小さいレンズ ( もしくは、そのレンズが付いたカメラ ) を持っていた方が、ユーザーにとってはいろいろ有利ということです。
ということで、コンパクトデジタルカメラや交換レンズを購入する際は、F値の小さいものを選ぶようにするといいと思います。
なお、開放F値が小さいレンズは便利ではありますが、お値段は高いので、まあ、その辺りは、財布と相談して購入するようにしてください。( 笑 )