先日、懇意にしているお客さんから電話がありました。
「パソコンが壊れたので、調査してください!」
ということで、さっそく出向いて、そのパソコンを調査しました。
で、調査したあと、次のような遣り取りになりました。
「あ~、これは~、Windows が逝っちゃってますね~。」
「え~っ! もう、このパソコンは使えないんですか?」
「パソコン自体は壊れてないので、まだ使えますよ。」
「?」
「Windows の起動に必要なファイルが壊れているみたいなんで、
Windows をインストールし直せば、このパソコンは使えます。」
「でも、Windows が壊れちゃったから パソコンが使えないんでしょ?」
「ええ。 でもパソコン自体は壊れてないです。」
「???」
↑の会話中、お客さんの頭の上に「?」が出っぱなしだったので、
なんでだろう・・・と思ってたら、お客さんがその答えを教えてくれました。
「ひょっとして・・・ パソコン と Windows って別物なの?」
パソコンというのは、本体 ( ハードウェア ) の中に、OS ( Operating System )
っていうソフトウェアがインストールしてあって、電源を入れると、
パソコン本体を起動。
( 各パーツに通電後、マザーボードの BIOS を起動。 )
↓
パソコン本体が無事起動したら、
ハードディスクにインストールされている OS を起動。
という流れで OS ( Windows や Mac など ) が起動するようになっています。
つまり、パソコン本体 と Windows ( や Mac など ) は、
一つの箱に収まってはいますが、起動フローが全くの別物、
というか、ハードウェア と ソフトウェア という、次元が全く違う物なのです。
※ Windows や Mac などの OS は、パソコン本体が起動しないと起動できない、
いわば、“パソコン本体に乗っかってるだけの存在” ということです。
よって、一概に「パソコンの故障」といっても、
その内容に関しては、大きく2種類に大別する必要があります。
1つは、ハードウェア系の問題。
もう一つは、ソフトウェア系の問題です。
ハードウェア系の問題というのは、ハードディスクが壊れたとか、
電源が入らない・画面が映らないとかの、いわゆる “機械の故障” をさし、
ソフトウェア系の問題というのは、いつも使っているソフトが起動しないとか、
起動するんだけど変な動きをする、とかいうタイプの問題をさします。
今回の場合は、パソコンの電源はちゃんと入り、BIOS もちゃんと起動。
Windows の起動画面までは正常に行って、起動の途中で、
“起動に必要なファイルがない” というエラーになったので、
「パソコン本体は壊れてなくて、Windows が壊れてる。」
という回答になるわけです。
パソコンが動かない = パソコンが壊れた!
という認識だけだと、ソフト的に壊れただけなのに本体を買い換えてしまったり、
修理を依頼する際に正しく内容を説明できなくて困ったりすることがあるので、
上記のことを知っておくと、何かと便利だと思います。