■ 撮影日レポート ■
ここからは実際に撮影した写真を掲載してレポートを行いたいと思います。
まずは、青井真樹くんから。
テーマが「和のイメージ」ということで、彼は和服を用意してきました。
もちろん、ただ和服を着ただけでは「和のイメージ」にはなりません。
それを着た演者が、ちゃんと「和のイメージ」を作らなければなりません。
そして、演者が作りだしたイメージを、
採光と構図を考えながら、さらに深みあるイメージへと具現化していく。
そういう流れで、テーマに沿った写真を作っていきます。
次は「活劇俳優」のイメージでの撮影です。
こちらは、昭和の映画俳優がもつ力強さと、どこか古めかしさを感じさせる情景を合わせた雰囲気で画を作ってみました。
青井くんとの撮影は、とてもテンポ良く進みます。
初めにお互いのイメージを確認しあった後、彼は彼のイメージで表現し、僕はそのイメージを受けて画を作る。
途中、気になったポイントを伝え、多少のイメージ修正などを行ったりはしましたが、基本的にはノンストップで、それぞれのシーンを撮り終えました。
次は、永田杏也子さん。
永田さんの場合は「全体的に明るいイメージの写真」というのがテーマなので、「画を作る」という撮り方ではなくて、「雰囲気を写す」という撮り方をしました。
撮る方・撮られる方の両方が写真撮影を楽しむことで、自然と現場に明るく楽しい雰囲気ができてくるので、
その中で生まれた笑顔と雰囲気を逃さないように写真に収める。
そういう流れで、明るい感じの写真を撮っていきました。
現場の雰囲気が盛り上がってくると、永田さんの表情はくるくると変化するので、その表情を捕らえるのには、かなり苦労します。
採光や構図に配慮しつつ、ファインダー越しに見える永田さんから、一瞬たりとも目を離さないようにしなければなりません。
永田さんとの撮影は、とても楽しいです。
彼女のとの会話を楽しみながら、表情の動きに合わせてシャッターを切る。
途中、撮影とは全く関係ないことも話したりして、大笑いしたりする。
いつしか、写真を撮っている意識がないままシャッターを切っていて、気がつけば「ものすごい枚数の写真を撮っていた」なんてことが多々ありました。
( 撮ってる僕が本気で笑ってしまって、手ブレすることも多々あり。( 笑 ))
■ 撮影終わって ■
今回は途中で強風が吹き出したため、予定より早く撮影を切り上げました。
その結果、少し時間が余ったので、事務所に戻って撮ったばかりの写真を軽く流し見しながら感想を話し合いました。
今回撮った写真の枚数は、4時間で2人合わせて約250枚。
そのうち、こちらのミスショットや演者が目を閉じたりしたものを省いた約200枚くらいが今回の成果物です。
3人の感想としては、概ね「いい写真ができた」という感じでした。
撮影前に事務所で打ち合わせた内容については、クリアできていると思います。
ただし、個人的には反省点もあります。
青井くんの撮影で作った世界観が、永田さんの撮影ではガラッと変わる。
永田さんの撮影で作った雰囲気も、青井くんの撮影に戻るとガラッと変わる。
その展開に翻弄されて、僕の集中力が切れてしまうことが何回かありました。
もっと集中力を養わないといけないなぁ、と反省しています。
さて、今回はフォトグラファー視点から宣材写真撮影の流れや状況についてレポートしてみましたが、いかがでしたか?
依頼者が友人だったこともあって、撮影を行うまでの段取りが通常とは少し違っているところもありますが ( 通常の仕事では「僕はこう撮りたい」なんてことは言えません。( 笑 ))、僕はフォトグラファーとして、だいたいこんな感じで撮影を行って宣材写真を撮っている、ということが、お分かりいただけたと思います。