デジタルカメラが普及した昨今、
フィルムカメラだけの時代にはなかった言葉が生まれました。
それは「デジタルズーム」と「光学ズーム」という言葉です。
そもそも「ズーム」とは、
「自分が動かなくても、自分の思い通りの構図を作る。」
ための「画角可変機能」であって「望遠機能」のことではないのですが、
「デジタルズーム」と「光学ズーム」という言葉が使われる場合は、
ほとんどの場合、「望遠機能」の性能についての事を指しているようです。
巷では、よく、
「3.6倍光学ズーム、4倍デジタルズーム搭載」
とかいう売り文句が飛び交っていますよね。
そんな「デジタルズーム」と「光学ズーム」ですが、
それらの違いは、一体何なのか? 今回は、そこら辺を取り上げてみます。
まずは「光学ズーム」について。
これは、フィルム時代と同じ技法、つまり「レンズによるズーム」のことです。
詳しく言うと、
「レンズを動かして焦点距離を変化させ、被写体を光学的に拡大する。」
という説明になるのですが、
まあ、「レンズによって被写体が拡大される」くらいの理解でいいと思います。
で、次は「デジタルズーム」について。
これは簡単に言うと、
「レンズを通して捕らえた被写体を、カメラが拡大処理している。」
ということになります。
違い、わかります?
光学ズームを利用して撮影すると、
「レンズによって被写体が拡大された映像」が写真になる。
デジタルズームを利用して撮影すると、
「レンズを通した通常サイズの被写体をカメラが拡大処理した映像」が写真になる。
カメラによる拡大処理とは、小さい画像をデジタル処理で大きく拡大すること。
つまり、デジタルズームで撮った写真とは、普通に撮影した写真を
パソコンで拡大して、トリミングしたのと同じものなんです。
撮影時にカメラが拡大処理するか、
あとから人間がパソコンで拡大処理するかの違いでしかありません。
ところで、パソコンで小さい画像を拡大すると、画像が荒くなりますよね。
それと同じことが、デジタルズームで撮影した場合にも起こります。
例を見てみましょう。
この写真の赤い囲みの部分を、「デジタルズーム」&「光学ズーム」してみると、
一目瞭然ですね。
左が「デジタルズーム」で、右が「光学ズーム」です。
ご理解いただけましたか?
これらのことから、パソコンで写真の拡大処理ができる人にとっては、
「デジタルズームって、あんまり意味がない」ということがわかりますね。
もしこれからデジタルカメラを購入する方は、この知識があると
カメラ選択のときに役立つと思いますので、是非、覚えておいてくださいね。